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腸を温める

 
     
 

 最近、外来で腹部膨満感を訴える患者さんをよく診ます。排便は正常にあるのにお腹の張りが気になる。これは便が完全に排泄されず腸内ガスを排出しにくい、すなわち腸の動きが低下しているのです。慢性的な便秘を起こす原因として知られているのは、排便を我慢する習慣、偏った食生活、不規則な生活、過大なストレス、運動不足、PMS、甲状腺機能の低下、加齢などです。

 腸の運動が停滞すると宿便のため腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が優位になります。すると老廃物が血流に乗って全身に行き渡り、肌荒れや冷え症、肥満や体臭などをもたらします。慢性便秘は大腸がんや大腸ポリープなどの原因でもあります。腸内細菌に大きな影響を与える食生活の変化、すなわち食物線維摂取の低下、脂質摂取の増加、植物性乳酸菌から動物性乳酸機への摂取の変化などが、 便秘や膨満感、さらには大腸がんの増加の原因なのです。また胃腸の働きはお肌の状態にも密接に関わっています。胃腸の調子が悪ければ、ニキビや吹き出物などができやすく、お肌も乱れがちです。胃腸を整え便秘を解消すると、ダイエット、美肌、冷えやむくみの改善、免疫力の維持、デトックスなどの効果を期待できます。 

 胃腸は体の免疫力の維持にも重要な役割を果たしています。最近よく耳にする「腸内環境」という言葉は腸内細菌のバランスのことです。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌、ウェルシュ菌などの悪玉菌、その他の日和見菌は、一般的にはそれぞれ10%、20%、70%の割合ですが、その割合は状況により変化します。実はこの腸内環境が腸管の免疫能に密接に関わっています。免疫を司る全身のリンパ球の60%は腸管に分布しています。免疫力が低下すると様々な病気になりがちです。腸内環境を整えることがまさに健康の要なのです。

 腸内環境と腸の働きを整えるのに腸を温めることが有益です。便秘や腸の運動の停滞の原因は、食生活の問題やストレスばかりでなく、体の冷えが原因のことが少なくありません。現代人は冷えが原因で何らかの健康障害が生じていることが多いのです。腸の冷えと腸の健康は密接に関係しています。急にお腹が痛くなった時に、お腹に手を当てて温めてやると腹痛が楽になったという経験が誰にでもあるはずです。腸を温めるため、日頃から運動を心掛けてください。動かないでいると体が冷えがちになり、交感神経が優位になり腸の動きが抑制されます。また交感神経の刺激により血管が収縮して腸の血流も減少するのです。

 その他、様々な冷え対策グッズが市販されていますのでそれを試すのも良し。また最近当院でも導入したインディバというラジオ波医療機器を使うとお腹の奥深くまで作用し、腸を含めた各内臓を確実に温め、しかも持続的な効果が期待できます。とにかく健康維持のため、腸を冷やさないようにしてくださいね。

 

 

 

 

 

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