Kobayashi Clinic kobayashi Clinic
home aboutus services news contactus member
    allow コラムメインページへ
 

皮膚のバリア機能と新陳代謝

 
     
 

 皮膚は表側から表皮、真皮、皮下組織の層状の構造になっています。さらに表皮には上層にあって死んだ細胞の重なりである角質層、その奥にある生きた表皮細胞、最深部の基底細胞層があります。

 角質層は、例えば顔では約20層の細胞がレンガのように積み重なっていて、その厚さは0.02mmほどです。この非常に薄い角質層が、外界から身体を守り、内部の水分が外に蒸発しないようにするバリアの働きをしています。角質層は自らセラミドなどの保湿成分を作ります。角質層の水分が低下するのが乾燥肌で、バリア機能も損なわれ、化学物質などの刺激物が浸透し易くなります。普段は問題のない化粧品であってもヒリヒリと感じたり、赤い湿疹やかゆみを生ずることもあります。適切な保湿クリームをしっかりと使用し、角質層のバリア機能を補うことでお肌のトラブルを予防することができます。

 角質の下には表皮細胞層、さらにその深部には基底層があり、メラニン色素を作るメラノサイトも主に基底層に分布しています。表皮は活発に新陳代謝をしており、基底層のところで新しい表皮細胞が生まれ、約28日かけて角化し角質細胞になり、最終的には垢として表面から剥がれ落ちます。紫外線の刺激でメラニン色素が作られてもそれが表皮内に留まっていれば、皮膚の代謝とともに28日後には排泄され正常の皮膚に戻るはずですが、真皮にまで色素が広がると表皮の代謝メカニズムがうまく働かず、そこに長く残ってしまいます。これが気になるシミの原因です。

 皮膚の代謝の異常は様々な症状をもたらします。代謝の異常な亢進は、過剰な洗顔や角質ケア、過度の入浴、紫外線の影響などで起こり、ピリピリした赤み、肌荒れ、乾燥肌、毛穴の黒ずみなどを生じます。低刺激な化粧品に変える、紫外線対策、優しい洗顔を心掛けるなどが効果的です。

 一方、皮膚の代謝の低下は洗顔や角質ケア不足、血行不良、ストレスや睡眠不足などが原因です。もちろん加齢の影響も大きく、40代になると代謝サイクルは約40日にもなります。その結果、角質層が厚くなると同時に奥の表皮層は薄くなり、肌が硬くてごわごわする、化粧のノリが悪い、肌がくすむ、小ジワができるなどの変化をもたらします。皮膚損傷の治りが悪い、シミができやすいなども代謝の低下が関係しています。一般的な対策は、定期的な運動をして身体全体の代謝を上げる、睡眠を十分にとる、ビタミン摂取を心掛けるなどですが、一つ効果的な治療があって、処方が必要な外用薬のレチノイン酸を使用すると皮膚の代謝が亢進し、若返りをもたらしてくれます。

 

 

 

 

Copyright © 2010, Kobayashi Medical Clinic All rights reserved.