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キレーション:デトックスによるアンチエイジング

 
     
 

 身体に貯まった有害物質を排出することで身体の働きを正常化し、代謝力を高めて加齢を予防するのがデトックスです。毎日の生活の中で知らぬ間に身体に 有害物質が蓄積されています。例えば重金属である水銀や鉛、ヒ素、カドミウムやニッケル。タバコや煙、排気ガスばかりでなく、魚や農薬、殺虫剤にも有害な重金属が含まれています。内臓や神経の働きに影響を及ぼし、体内の活性酸素を増したり、不安定な精神状態をきたすこともあります。食品添加物や残留農薬などの化学物質も好ましくありません。

 身体に貯まった有害物質の排出を促進するのがデトックスです。自分でできる手軽なものから、医療機関で行う治療まで様々なセラピーがあります。ある種の食品にデトックス効果のあることが知られており、例えば硫化アリル(ねぎ、ニラ)、クエン酸(グレープフルーツ、酢)、アリン(ニンニク)、ケルセチン(ほうれん草、たまねぎ、ブロッコリー)といった成分には有害物質を排出する効果があります。アルファリポ酸、グルタチオン、L−メチオニンなどのサプリメントにもデトックス効果が知られています。

 一方、医療機関で行われるのがキレーション療法です。キレート剤を点滴し有害金属を体外に排出する治療で、元々は急性鉛中毒の治療に利用されていました。目的とする金属により使用する薬が異なり、鉛に対してはEDTA、水銀やヒ素にはDMSAやDMPS、銅にはペニシラミン、鉄にはデフェロキサミンが使われます。まず事前の血液検査により投与するキレート剤が決められ、治療計画が立てられます。代表的なEDTAキレーションにはCaEDTAとMgEDTAがあります。前者は有害金属の排出作用、後者はそれに合わせて動脈硬化の改善効果が有ります。MgEDTAキレーションでは点滴中に血液カルシウム濃度の低下を来すことがあるため、90分以上かけてゆっくりと点滴します。半年で計20回程度の点滴を行なうのが標準的なキレーション治療です。

 EDTAキレーションには有害金属の除去と抗酸化作用により血管を若返らせ、細胞を活性化する効果があります。そのため効能としては、細胞や血管の老化防止と動脈硬化や高血圧の改善による脳梗塞や心筋梗塞の予防、有害金属除去によるいろいろな変性疾患の予防や治療以外にも、変形性関節症や骨粗鬆症の改善、痴呆の予防、黄斑変性症の改善などがあります。

 キレーション療法は適切に行われれば安全な治療ですが、EDTAによる腎毒性なども報告されており、治療経験の豊富な医療機関で治療を受けられることをお勧めします。

 

 

 

 

 

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