Kobayashi Clinic kobayashi Clinic
home aboutus services news contactus member
    allow コラムメインページへ
 

薄毛の治療:女性編

 
     
 

 年齢とともに頭髪が薄くなってくるのは男性ばかりではありません。女性でも30代を過ぎた頃から抜け毛が増え、頭全体に髪が薄くなってきたという悩みが少なくありません。女性の脱毛症にはびまん性脱毛症と分娩後脱毛症とがあります。頭皮の病気、ヘアケア商品やパーマによる毛髪への負担、ストレスや過剰なダイエットのほか、出産や閉経に伴うホルモンバランスの乱れなどが原因と考えられています。

 男性の脱毛症の多くは、遺伝性の素因を除けば、男性ホルモンの過剰作用が原因のいわゆるAGA(男性型脱毛症)です。頭頂部を中心に薄毛が進行するのが特徴で、男性ホルモンの産生を抑えるフィナステリドと呼ばれる内服薬が有効です。

 女性の脱毛症を診た時に必ず調べたいのは甲状腺の働きです。甲状腺ホルモンが低下すると毛根の新陳代謝が低下し、脱毛が起こりやすくなります。最も多い原因は橋本病で、男性に比べて女性に8−9倍好発します。甲状腺に慢性の炎症が起こり、ホルモンを作る細胞が次第に減少します。甲状腺ホルモンを補充することで薄毛の改善することが期待されます。

 女性の脱毛症の薬物治療は外用薬と内服薬に分かれます。頭皮の血流を増やす ミノキシジルという薬の外用が有効なことがあります。男性では5%のミノキシジルが使われますが、女性は2%のものを使用します。血行が良くなりより多くの栄養が運ばれ、毛根細胞を刺激します。男性ホルモン抑制薬であるalphatradiolを主成分とするパントスチンという外用薬もあります。女性の薄毛に男性ホルモンが関与していることもあるのです。

 女性の脱毛症の代表的な内服薬がパントガールです。ドイツのMerz社で開発された薬で、薄毛を改善させるための各種の成分が含まれています。その主成分がケラチンタンパクで、毛髪の成長を助け、髪質も改善してきます。パントガールを内服すると、脆くて傷のつきやすい爪も次第に強くなります。3か月の服用で70%の女性で抜け毛が減少すると報告されています。もう一つはビビスカルという内服薬で、海洋生物に由来するタンパクであるAminoMar Cを主成分とし、様々な原因による女性の薄毛を幅広く改善するとされています。パントガールは当院でも取り扱っています。

 男性ホルモンの過剰作用が主な原因である男性型の脱毛症と異なり、女性の薄毛はその原因が非常に複雑なため、これまであまり良い治療がありませんでした。最近になり漸く、効果の期待できるいくつかの薬が登場しています。副作用のリスクを含めて専門のドクターによく相談し、自分の髪に最も合った治療法を探してください。

 

 

 

 

 

 

Copyright © 2010, Kobayashi Medical Clinic All rights reserved.