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痩せ薬としてのボトックス

 
     
 

 ボトックスは手軽にできる若返りの治療として絶大な人気があります。施術後1週間もすると、眉間や目尻の気になるシワが魔法のように目立たなくなります。これは表情筋の力を抑える作用に由来します。この効果は平均して6ヶ月ぐらい持続し、その間、シワのない若い頃に戻った自分をエンジョイできます。

 このボトックスにはもう一つの効果があります。筋肉を見た目小さくしてくれるのです。ボトックスの長期的な作用を利用します。ボトックスを筋肉に注射すると1週間ぐらいでその筋肉の収縮力が弱まってきます。この状態が長く続くと、廃用性萎縮と言ってその筋肉が徐々に小さくなってきます。使わないでいるとその筋肉が痩せてくるのです。例えば、骨折をして長期間ギブスをしていると、それを外した時に中の筋肉が小さくなっています。また、寝たきりでいると体の筋肉がやせ衰えてきます。いずれも廃用性萎縮が原因です。  

 ボトックスを筋肉に注射するとこれと同様なことが起こります。最初の1週間ぐらいで筋力が落ち、それが長く継続すると筋肉の見た目が小さくなってくるのです。これを応用するのが小顔治療です。顔が大きく見える原因の一つは、咬筋の発達によりエラが張り出していることです。この咬筋に適量のボトックスを注射すると、3−4週間を過ぎた頃から筋肉が少しずつ小さくなり、エラが目立たなくなってきます。一般に1ヶ月あけて少なくとも2回の治療が必要です。適量を投与するので、食べ物を咀嚼できなくなることはありません。過剰な歯ぎしりの治療にも有効です。

 もう一つの応用はふくらはぎです。足が太くて気になる人、もしそれが過剰に発達した腓腹筋によるものであれば、ボトックスを注入することで細く見えるようにすることが出来ます。ここでも廃用性萎縮を利用します。腓腹筋は大きな筋肉ですので一般に複数回の治療が必要です。適量を投与するので、もちろん歩きづらくなるといったことはありません。足の太さの原因が主に厚い脂肪層である場合にはあまり効果を期待できないのは言うまでもありません。

 この他にもボトックスには、夏場の脇の汗かきを抑える、片頭痛を予防する、眼の周りの痙攣(チック)を抑える、なんて効果もあります。まさに「毒薬変じて薬となる」というのがまさにピッタリな魔法の薬なのです。

 

 

 

 

 

 

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