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  IPLやレーザーの効きにくいシミに要注意  
     
 

 IPL(フォトフェイシャル)やレーザーは、そばかす、紫外線が原因の老人性色素班やお年寄りにみられる顔のイボ(脂漏性角化症)などにはとても有効ですが、必ずしもすべてのシミやくすみに効果があるわけではありません。逆に治療によりシミが悪化してしまうこともあります。

 肝班は30-40代の女性に多く見られ、特に眼のくぼみの下外側にみられる境界の不鮮明なベタッとしたシミです。ホルモンバランスの乱れ、お化粧の影響が原因とされています。この肝班をIPLやレーザーで治療すると、シミが元より濃くなってしまいます。アメリカにはTri-LumaTMという処方の塗り薬がありますが、あまり大きな効果は期待できません。肝班の最良の治療は、トランサミンという薬の内服です。アメリカでは入手しにくい処方薬ですが、日本ではトランシーノTMという商品名で市販薬として店頭販売されています。但し血栓症を起こすリスクがあり、血栓症の既往や家族歴のある人は要注意です。

 炎症後色素沈着はその名前の通り、何らかの原因で起きた皮膚の炎症の結果としてできるシミのことです。ニキビや火傷の痕ばかりでなく、レーザー治療後の色素沈着もこの仲間です。このタイプのシミも、IPLやレーザー治療はふさわしくありません。最善の治療は「何もしないこと」です。一般に数ヶ月から数年の経過で自然と目立たなくなっていきます。原因にもよりますが、血流の多い顔で早く数ヶ月から半年、血流の少ない四肢では数年かかります。

 ほくろは紫外線によるシミとは根本的に成因が異なります。生まれつき皮内にいる母班細胞が年齢とともに増殖し、色素を産生するようになります。大人になってからほくろが大きくなったり、盛り上がってくるのは、必ずしも悪性を示すものではありません。但し、非対称性の奇妙な形をしたもの、辺縁がはっきりしないもの、青黒い色調のもの、大きさが6mmを越えるものは要注意です。ほくろの原因である色素細胞は比較的深い層に存在するため、IPLで完全に除去することはできません。

 お顔のシミは複数のタイプが混在していることが少なくありません。これを見逃すと、IPLやレーザー治療でも思ったような効果が得られません。シミのタイプを見極め、個人別に最適な治療をしてもらうことがとても大切です。

 

 

 

 

 

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